スキルを駆使して終末世界で成り上がり『アースウィズダンジョン 〜世界を救うのは好景気だよね』

レビュー

アースウィズダンジョン 〜世界を救うのは好景気だよね

現代ファンタジー

ダンジョン

ディストピア

完結

書籍化&コミカライズ済

5

おすすめ

4

面白さ

4

ディストピア

5

成り上がり

文字数   1,529,497文字
ジャンル  ローファンタジー〔ファンタジー〕
キーワード R15 残酷な描写あり  近未来 ディストピア ダーク 現代 チート ダンジョン レベル おっさん 123大賞 書籍化 本編完結済み

あらすじ

地球にダンジョンが現れた。テンプレのダンジョンだ。突如として、各地に現れたダンジョンには魔物が現れて、人外の力を使い、魔法を唱えてくる。そんなダンジョンと共存するようになった地球は、未知の生命、未知の技術、そしてダンジョンが現れたことによる魔力による汚染で産まれたスキルという名の力を手にした。そこまでは良い。いや、良くはないが。テンプレなら冒険者という職業が生まれ、各企業は手に入る魔物の素材や、宝箱から手に入る品物を大金で買い取り、世界は冒険者の時代となった。テンプレならそうだよな?

 ……そうはならなかったんだ。現実は世知辛い。よーく考えてくれ。魔物の素材を大量に企業が買い取る? おいおい、検体なら100体もいりゃ良いよな?買い取り続けることなんてしないのさ。だから冒険者なんて生まれる素地はなかった。当然だ。誰が命を懸けてスキルを持っていたとしても、無報酬でダンジョンに潜るんだ?そんな奴はいやしない。

 と、なるとどうなると思う? 幸いにして魔物には地球の兵器は効いたんだ。銃やミサイルで倒すことができた。あっさりとな。
……だがな、奴らは日毎現れる。きっとダンジョンに潜って魔物を定期的に間引かないからだろうな。これが世界で数個しかダンジョンが現れなかったーとかなら、まだ良かった。だが、ダンジョンはそこらじゅうにできたのさ。弱い魔物しかいないダンジョンから、強い魔物も出てくるダンジョンまで。

 毎日軍隊は戦った。銃弾を湯水のように使っていき、花火のように景気よくミサイルを撃ち込んでな。その結果がどうなるか、わかるだろう? まったく利益にならないダンジョンという災害を前に、資源は少なくなり、税金は高くなり……。ついには重要な街以外は放棄しちまったのさ。そうなると悲惨なもんだ。無法地帯がそこらじゅうにできて、貿易すらも簡単にできない世界の出来上がり。

 そんな未来となった数十年後の世界で俺は生きている。とりあえずは数十年鍛えたスキルで世界を救うつもりだ。こっそりとな。

 救う方法は簡単だ。俺のスキル『等価交換ストアー』を使えばいい。ほら、そこの角にあるだろ、自動販売機みたいなのがさ。Fランクモンスターの核を10個で初期ポーション1個と交換できるみたいだぜ。

小説の紹介

「第一回 一二三書房WEB小説大賞」《大賞》受賞作!
スキルを駆使してダンジョン経済を牛耳り、終末世界を救え!

概要

『アースウィズダンジョン 〜世界を救うのは好景気だよね』は、小説投稿サイト「小説家になろう」で2021年から2022年まで連載されていた作品。
完結中の作品で、外伝を含めて全326話が投稿されています。
書籍版タイトルは『アースウィズダンジョン ~固有スキル≪等価交換ストア≫を駆使して世界救済を目指します~』

ストーリー

地球にダンジョンが現れ、世界各地で魔物が跋扈するようになった世界。
人々はレベルという概念とスキルの力を手に入れたが、絵物語のような冒険者の時代は訪れず、多くの街が放棄され、経済は衰退し、多くの地域が魔物の跋扈する無法地帯となっていた。
そんな無法地帯となっている「廃墟街」で自らのスキルを鍛え続けてきた主人公「天野防人」は、「残機」スキルにより運命共同体になった謎の少女 雫とともに、スキル「等価交換ストア」で自身の周りから世界を救っていく…。

作品の特徴

完成された世界観
「現代社会にダンジョンが発生し、魔物が現れる」という設定は珍しくはないですが、「銃火器やミサイル等は通用するが消耗戦の末に物資が枯渇気味」といった設定や、何故よくある冒険者が魔物を狩りスキルを上げて活躍する定番展開にならなかったのか、内街/外街/廃墟街の棲み分け等、世界観がよく考えられ、違和感なく作品に没入できます。

主人公の成長と「等価交換ストア」
様々なスキルを手に入れて成長&勢力を拡大していく主人公にはいつもワクワクさせられます。
俺TUEE要素だけではなく、「等価交換ストア」へのラインナップの拡充とそれが世界に与える影響、政治的な駆け引きや、各勢力の動きなどが絡み合い、物語を面白くしています!

仲間の少女達の謎と時折挟まれる小ネタ
「残機」スキルにより運命共同体になった謎の少女 雫は、何故かスキルやモンスターの生態について非常に詳しく、物語の根幹に関わる重要な過去を持っていそうな気配がします。
少しずつ明らかになっていく彼女の過去や、過去に関係していそうな少女たちについての謎解き要素もこの作品の特徴の一つです。
(雫が発言するメタな小ネタも分かる人には面白い!笑)


「第一回 一二三書房WEB小説大賞」の大賞を受賞した理由がよく分かる、非常に面白く完成された作品。
ステータス&スキル、ダンジョン攻略、ディストピア、というような単語が好きな方に特におすすめできる作品です!

そんな終末感漂うローファンタジーの名作を、まだ読んだことのない人は是非読んでみて!

作品まとめ

https://ncode.syosetu.com/n4838hc

書籍情報

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